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Hammer And Nails Fest現地レポート

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MOTO-BUNKA 5 YEAR EXHIBITIONの最終日に片付けを終え、翌朝のフライト便でドイツへ移動。イベントが終わって寝て起きたらドイツに到着するという超タイトなスケジュールだ。今回は、ドイツ・ケルンで開催された「Hammer And Nails Fest」の現地取材に行ってきたので、フォトグラファー船生光が撮った写真とともにイベントレポートをお届け。
text by 白石大輔

Hammer And Nails Festとは?

Hammer And Nails Festは、BMXとハードコアをコンセプトとしたBMXx音楽フェスである。WETHEPEOPLEやECLATなどヨーロッパを代表するBMXカンパニーがここケルンを拠点としているのもあってか、BMXカルチャーが根付いている街らしい。ハードコアカルチャーも盛んらしく、必然的にその両者がクロスオーバーする形となりこのイベントが始まったとか。主催者としてこのイベントを取り仕切るのがプロBMXライダーのフェリックスとケルンローカルのFRACTUREクルー。
コンセプトとしてストレートエッジとDIY精神を掲げているイベントである。

DAY1. Lead By Example上映会

1日目は、グラント主幹のフルレングスBMXビデオLead By Exampleの上映会が開催された。ジョーダン・ゴッドウィン、フェリックス、ダン・クルックなど会場に来ていた錚々たるのメンバーのフルパートも収録されており、内容は完全にネクストレベルのBMXストリートビデオだ。上映が始まると場内に歓喜が溢れていた。ありがたいことに、前座としてMOTO-BUNKA 5 YEAR記念に制作した自分のビデオを上映してもらえた。

DAY2. Hammer And Nails Fest JAM SESSION

2日目。13時に会場がオープン。プロアマ関わらず、ドイツ、アメリカ、イギリス、オランダ、ベルギー、スロバキア、フランスなどなど世界中からライダーが集まっているようだった。この日は、屋外の特設セクションを使ったジャムセッションが開かれ、最初のスポットは、デニムメーカーHEAVIESによるデニムの形をしたボックスでのセッション。 珍しい形をしたボックスをそれぞれのライディングスタイルでスキルを魅せあっていく。プロはもちろんアマチュアライダーのレベルも非常に高いセッションだった。

ドイツ在住のJan Bisansの一枚。ペグレスライダーながらもデニム型ボックス全体を使うオリジナルなラインで会場を沸かしていた。

デニムセクションの次はTAXIを改造した移動式のグラインドセクション。こちらもケルンローカルライダーたちの手で作られたお手製のセクションらしい。

ケルンローカルのマッズ。このタクシーの設営を担当していた一人だ。ムードメーカー的な存在でこの会場を盛り上げてくれていた。

このイベントの主催者であるフェリックスのオーバー360を皮切りに、ライダーたちが果敢に攻め始める。

フロントガラスへのダウンウィップ!バンクからフロントガラスへ着地する流れも生まれてタクシー全体がスポットと化していた。

イギリスから参加していたジョーダン・ゴッドウィン。フェリックスとはMonster EnergyやEclatなどチームメイトでもあり旧知の仲である。このイベントをライディングで盛り上げようと奮起しているのが伝わってきた。

ジャムセッションが終わると、ハードコアバンドのライブが始まり、イベント2日目を締め括った。

DAY3. Hammer And Nails Fest JAM SESSION(最終日)

イベント最終日は、MONSTER ENERGY主催によるCASH UP JAMが開催された。この企画は世界各地で行われており、ドイツではここが会場に選ばれたというわけだ。来場者もこの日が一番多かった。

WETHEPEOPLEによるBEST TRICKジャムセッションがスタート!

ドイツはフランクフルトローカルのセバスチャン。静かに燃える彼のライディングがとても印象的だった。彼はインスタグラムなどSNSは一切やっていない。まさに知る人ぞ知るBMXライダーである。プロライダーにも引けをとらない素晴らしいライディングを見せてくれた。世界にはプロレベルの名もなきBMXライダーがゴロゴロいることを久しぶりに思い出した。世界って広い。

南アフリカから参戦したマレー。オリジナルなラインでセクションを攻めてた。

イギリスから参戦したウィル。40歳前半くらいだろうか、決して若くはないがミッドスクール全開のスタイルで若手ライダーも圧巻のライディングを披露。ここ一番の盛り上がりを魅せていたのではないだろうか。

そして場所を移動して、ガールズのジャムセッションが始まる。

フードエリアにあるフラットエリアでバンクやボックス、レールを使ったガールズセッション。フォトエキシビジョンでもガールズライダーエリアが特設されていたり、ガールズBMXシーンへのリスペクトが感じられる場面が多かった。ライディングはしないけど、観に来ているガールズライダーも多い印象。

本イベントのセクションの制作を担当していたリンダ。BMXに乗りながらも普段は大工として働いているらしい。

そして最後はメインのCASH UP JAM!レールとクォーターとダウンレッジが複合したタイトなセクションだった。

ジョーダン・ゴッドウィンのグラインドコンボ、サム・ジョーンズがハングファィブイ180にトライしたり、挙げればきりないがケルンローカルでEclatライダーのキリアンが180フィーブルからのフェイキーマニュアルなど、いくつものバリエーションを魅せていく。非常にメイク率の高いライダーだ。イベント場内は人で溢れて、熱気に包まれていた。

CASH UPジャムが終了し、最終日のライブがスタート。来場者だけでなく、主催のフェリックス、イベント支えるスタッフたちみんなそれぞれが思い残すのことなく遊び倒す!

このイベントの最後を締めくくる最高の時間を過ごすことができた。この素晴らしいイベントを主催したフェリックスとそれを支える家族、仲間達を讃えたいと思う。ドイツ・ケルンのBMXシーンとハードコアのカルチャーの奥深さを体験した素晴らしいツアーとなった。現場に行きその空気感を体験することで気づくことはたくさんある。大切なことを思い出させてくれた。

ドイツからイギリスへと旅した10日間のヨーロッパツアー。このイベントだけでなくたくさんの出来事、出会いがありました。その時に感じたこと、学んだことをツアー日記としてまとめておりまして、近日冊子にしてリリース予定です!もうしばらくお待ちください。おそらく25,000字くらになりそう笑。

TEXT by 白石大輔
Photo by 船生光

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BMXメディア「MOTO-BUNKA」の5周年を記念したMOTO文化通信の特別号をリリース!

5年間で関わってきた多彩な人々へのインタビューを中心に、BMXストリート、フリースタイル、フラットランド、レースといった幅広いジャンルを網羅した内容になっています。

前作「MOTO文化通信 Vol.3」から大幅にアップデートされ、サイズはA5からA4へ、ページ数も138ページとボリューム満点。

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【目次

・異才が語る、“表現”という生き方 | Yumi Tsukuda
・全てはライダーの為に | Satoshi Deguchi
・BMXな人生と、業界に残したいモノ。| Yuta Tominaga
・「From BMX Riders」 という考え方 | Hiroshi Uehara
・何年経っても、生き続けるブランド | Alive Industry
・人生に、BMXという一本の筋を通す。| Van Homan
・女性BMXシーンにおける進歩と成長の軌跡 | The Bloom BMX
・Thank You BMX | BBC – BASHI
・JAPAN LOCAL CREW 2025
・MB Earth Art Collection
・競技者の枠を超え、新境地へ | Asuma Nakai
・業界への憂い、そして新たな希望 | Yohei Uchino
・Taiwan BMX | STASH BMX SHOP
・Hong Kong BMX | SHOCKER BMX
・解放のために乗る者 | Benny Abeyta
・「怒りからくるクリエイティブ」| Hikaru Funyu
・「スポーツ」ではなく「カルチャー」として伝える | DIG BMX – Will Smyth

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