先週に引き続き、今回もMOTO文化映画祭のレビュー編を書きます。まず前置きから
MOTO文化映画祭は、全国各地より応募されたBMX映像作品を10本選出し、映画館にて上映するビデオコンテストです。
ベストビデオ賞やクリエイティブ賞などの授賞式を行うBMXの映像祭典でもあります。
国内、海外を合わせた21名のMBFF公式審査員(インスタグラムにて公開)が全ての応募映像を視聴し投票。その総投票数をベースにノミネート作品は選出されてます。得票数の上位10本が映画館にて上映される仕組みなのです。
※今年からフラットランド部門がスタートしますのでの審査員の増員予定です
MOTO文化映画祭での審査に関してMBスタッフである僕とペギーは、一切審査に関わっておりません。審査員の投票数をベースにノミネート作品を決定しております。
僕は、MOTO文化映画祭の審査員ではないので、いちBMXライダーとして、BMXの映像が大好きなファン的目線で昨年のノミネート作品の感想を書いていこうと思います。
今週は、昨年見事CREATIVE VIDE OF THE YEARを受賞したNSS – THE BONについて↓
MOTO文化映画祭を実行するにあたって、映像の作り手目線で考えるとライディングだけじゃなくて映像のアイディアで勝負したい人も出てくるのでは?というか、そんなライダーが出てきて欲しい思いもありましたし、BMXフィルムコンテストとしての間口を広げる意味でも映像コンセプトやストーリー、撮影方法や編集などを考慮して評価するCREATIVE VIDEO OF THE YEAR🏆が必要と考え、今年一番クリエイティブだったBMX VIDEOに贈る賞として作りました。
昨年受賞したNSS – THE BONは、まさにそれだったと思います。
シネマティックに仕上げられた作品は、映画館でみるとまさに短編映画のようで、僕の彼女もそうですけど、映画祭では普段BMXの映像を見ない人からの反応がすごく良かったです。あと、オンライン公開後は海外からの反応も多かったと思います。
ほかのエントリー作品と圧倒的に異なるところは、いわゆるBMXのライディング映像ではなくて、映像作品として勝負してきているところだと思います。
BMXのライディング映像、いわゆるビデオパートを作るには大変な労力を必要とします。ストリートで撮影する場合はスポット探しから始まりますし、フィルマーとスケジュールが合っても撮影日が悪天候だったり、コンディションが良くてもセキュリティが厳しく撮れず、、なんてことも当たり前。メイクするまで何度もトライすることが多いので、6秒の映像のために半日撮影し続けたなんて話も。
何ヶ月も撮影を積み重ねて、いくつものライディング映像を切り取り繋ぎ合わせて一つのビデオパートは完成するのですが。
一方で、ほとんどBMXのライディング映像が出てこないNSS – THE BONはどこに時間がかかっているのか?実際撮影も大変だったと思うんですけど、映像を撮り始める前段階の脚本作りに時間をかけているのだと思います。
最終的にどんな映像を作りたいのか監督であるKosuke君の中でイメージを固めて、それを書き出して、ストーリーを組み立てて台本を作る。セリフを作ったり、どんな人に出演してもらうのか、誰にどこで、何をしてもらうのか、撮り方とか細かなとこまで考えてから撮影を始めていると勝手に予測しています。その裏方的なディレクションの大変さってあえて伝える必要もないと思うんですけど、しっかりとしたコンセプトと緻密な作業で作られた脚本や計画がないとTHE BONのようなストーリーを魅せれる映像は作れないんじゃないかなと思います。
前回の受賞者インタビューもあるのでこちらも聞いてみてください。
キャストの女の子に、この映像に出てもらうにはどう誘えば参加してもらえるか考えて「絶対に賞獲るんで出演して欲しいです」と誘ってた話は感動しました。
NSSは、2024のエントリーに向けてすでに動き始めてるようなので、今年はどんな映像が見れるのか楽しみです!