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[COLUMN] ウォールライドはお好き?by YOSSY

BMXライダーがリレー形式でお届けするライダーズコラム
前回の執筆者丸屋薫より、BMX代理店 ZEN DISTRIBUTIONを牽引するYOSSYにバトンパス。玄人好みのマニアック目線な壁話をどうぞ。


ご挨拶

会ったことのある人もない人もこんにちは。BMX輸入代理店のZEN distributionで働く由谷(ヨシタニ)です。この業界では比較的ヨッシーと呼んでもらうことが多いです。どこかで出会ったときにはよろしくお願いします。

Photo by Mike Kulyk

ウォールライドとの出会い=BMXとの出会い

今では好きだったというほどしかまたがってないけど、BMXライディングを楽しむメインを占めるし大好きなのがウォールライドだ。

自分がBMXに乗り始める前、さかのぼること26−7年前のはなし。

当時は街の中を走り回ったり公園のすみにキッカーを作って飛んだり、ショップの店長さんや常連さんに山へ連れて行ってもらって乗ったりとMTBにどっぷりだった。
レース志向ではなく単純に毎日乗れればハッピーな高校生で、ビデオの影響もあってダートジャンプのトレイルへでかけたりバニーホップもできるようになってきた頃、新宿西口の某公園で大きく衝撃を受ける光景を目にした。

それはBMXのウォールライド。

サッと走ってきたBMXライダーがバニーホップしたかと思ったらガバッと垂直の壁を走る姿だった。

ビデオではなんとなく見たことがあったけど目の前で見たのはそれが初めてで、思わずそのライダーに声をかけたのを覚えている。「バニーホップができたらできるよ。」そんな返しを受けてBMXに乗ることを決心したのだった。

いろいろな乗り方をしてきたけど自分がBMXに乗るきっかけであり、やりがいも達成感も奥深さも一番に感じたのがウォールライドだった。

余談だけど、この時のライダーとは今でもたまに会うし一緒に乗ることもある大切な先輩で、最近では紅葉のきれいな山へ友人らと一緒にMTBingしてきた。あの衝撃の一瞬から今でも一緒に乗ってもらえる間柄は感慨深いもので、お互い体の動く限り続けていけたらと思う今日このごろ。

壁にタイヤを走らせること

ところで、ウォールライドは好きですか?

好きだと思っているライダーは、実際にウォールライドをするときにどんな事を考えたりこだわってるだろうか?

壁に張り付いた時の姿勢も着地の体勢もどれも大切でこだわりたいところなんだけど、それらを成り立たせるために自分が一番に心がけてこだわっていたことがあって、それは「壁にタイヤを走らせる」ことだった。ちゃんと走らせているということは壁に適切な荷重をかけられて姿勢も自ずと適切になると思ってきたし、過去の映像や写真を見返してみるとどうやら成り立っていたようだった。

壁を走ることをウォールライドだとする。

走るということは、その最中にホイールは止まることなく回り続けていないと違和感だし、ホイールが止まるならばそれはウォールタップだろうと考えていた。反対に、ウォールタップは壁に張り付いたときにいかにホイールを回さず前後進もせず、きっちりと進入先へ戻れるかが肝だとも思っている。

普段からウォールライドをするならちゃんとタイヤを走らせてって思いながら他人を見てたりもします。一方的な自分の好みでバイアスをかけながら見てます。偉そうですみません。口にはしないので許してください。

自分好みのウォールライダー

さて、自分好みのタイヤを走らせるウォールライドを見せてくれる国内のライダーといえば、長野の小僧だ。

バターにナイフを滑らせているかのようにスムーズに壁の凹凸をきれいにいなしながら走るさまに見ているこちらも気持ちよくなるし、当然ウォールライド中の姿勢も美しくて完璧。

彼とはまたゆっくりとサイクリングしたい。

思い出のウォール

こだわっているなら日頃からさぞかしウォールライドに勤しんでいるだろうと思われるかもしれないけど、今は月に1回2回しかBMXに乗っていない身なので、自分的にちゃんとタイヤを走らせたと思える過去の思い出をいくつか紹介させてもらい、今回の投稿内容を締め括ろうと思います。

2008年 北海道内 | 撮影:山崎肇

2009年 ソウル市内 | Team ZEN Seoul Tour 2009

ソウル市内の大通りに並んだコンクリート製ベンチの壁は積もり積もった塵の影響でサラッサラだったため、適切と思うアプローチであっても不意にグリップが抜けてしまい大いに苦戦したスポットになった。

10:11辺りから

2007年 東京都内 | wethepeople Videorama

1度目にダウンチューブを曲げてしまい組み替えた後日に再トライした線路下。下から上へできる限り高いところを目指して駆け上るのもウォールライドの醍醐味のひとつに数えられるだろうが、上から下へアプローチするのも楽しい。

00:47辺りから

2009年 東京都内 | ZEN JAM SPRING

下から上を頑張ってみた一例。目指すラインのわかりやすいスポットなので必要な助走速度を適切に得られるように集中した。実際にはアプローチのバンクが長いので失速しやすく、結構頑張ってペダルを踏んだ覚えがある。

02:45辺りから

2015年 北九州市内 | TEAMZEN – Survey the Ridetrip

最後はラインありきの一本。有機的な造形のオブジェやモニュメントを見かけると、どこかタイヤを走らせられるところは無いものかと眺めてしまうライダーっているよね?ってことで自分が見えたラインをなぞった結果だ。他にもなぞり方はあったはず。

次は

フォトグラファーのヒカル氏にコラムを任せたいと思います。

日本全国、そして世界中を飛び回ってライディングなどの現場の空気を撮影し、たくさんの写真で届けてくれる大変ありがたい存在だ。そんな彼はどんなことを考えているのか楽しみです。