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BMXライダーでありながら絵描きとしても精力的に活動中のTim Kojima。
記念すべきMOTO文化通信Vol.1の表紙は彼に描いてもらったんですけど、そのときに掲載した彼のアーティストインタビューをWeb公開しました。
アーティストとして目指す姿、絵を描くこととBMXに乗ることについて。
Q1. 自己紹介をお願いします。
Tim Kojima
絵描き、1994年、兵庫県出身
中学生の頃BMXに乗り出した事がきっかけで、ストリートに存在しているアートに興味を持ち、作品制作を始める。
京都精華大学在学中サンフランシスコに留学し、日本文化のかっこよさに気付く。そこから”日本独自のストリートカルチャー”と”日々のくらし”をテーマに絵を描くようになる。
現在は京都を拠点に、国内外での壁画制作や、飲食店、出版社などへのイラスト提供まで多岐に渡り活動している。
Q2. 各地で個展を開催したり勢力的に活動しているよね。絵を描き始めたきっかけ、仕事にしようと意識し始めたのはいつ頃から?
きっかけがあったわけじゃないですが、物心付いた時からずっと描いていた事を覚えています。
最初は顔に直接手足が生えたウルトラマンの絵から始まり、恐竜、動物、車、など、その時その時でハマってた物や欲しいものを絵に描くことで満たされていました。それだけでトリップできてたみたいです。小学校の休み時間はみんな外でバスケしてる中、僕は一人で教室に残って毎日ニヤニヤしながらプリント用紙の裏に絵を描いてました。とにかく描く事が無条件に大好きでした。
BMXを始めたのが13歳の時で、映画のE.T.を観て「自転車で飛びたい!」ってなって、テストでいい成績を取って親にBMXを買って貰いました。
そこからです。毎日家の近所で暗くなるまで乗り、週末は662へ。家に帰ればインターネットでvideoをチェックして、授業中はRide BMXを机の引き出しに隠しながら、プリントの裏にパークの絵ばっかり描いてました。ファッションや聴く音楽も変化し、今までの趣味思考やライフスタイルがガラッとか変わりました。
そんな生活を送っているうちに、ストリートに存在するアートに興味を持ち出したんです。例えば、ライダー、スケーターが着てるTシャツのグラフィックやTattoo。デッキのアートワークやスポットに描かれたグラフィティー。
“絵を描くこと”と”BMX”が自分の中で少しずつ交わり始めたんです。
その時初めて「絵でお金を稼ぎたい」って夢を持つようになり、美大に進学して絵を一から学び出しました。
Q3. Timの作品にはアイコン的存在として”人物”が登場すると思うんだけど、今の作風に至った経緯などを教えて。
今のスタイルに至ったのは、サンフランシスコに留学した経験がかなり大きいですね。
ある時、教室の前に沢山の画集柄が並べられ、好きな一冊を選んでその中の絵を模写するって授業がありました。そしたら一冊だけ浮世絵の画集があって、何気なく開いてみるとめちゃくちゃカッコよかったんです。その事に今まで気付けなかったのが悔しくて、自分は今まで何を見てきたのだろうって。もっと自分のルーツに誇りを持って”日本人”として表現していきたいって考えに切り替わっていったんです。
それから、”日本独自のストリート文化”や”日々の暮らし”をテーマに作品を描くようになりました。
Q4. 自身の絵のスタイルを一言で言うと?
分かりやすくて分かりにくい
Q5. デジタルでの制作は考えている?
アナログとデジタル、どちらにも良さはあるけど、自分は昔から手で描くって行為が好きだし、アナログでしか生めない立体感や暖かさが魅了的だと感じています。
でも自分のセンスや表現したいことってどんどん変化していくと思うので、これからどうなるかは分かりません。
Q6. アメリカ留学の経験もあると思うんだけど、日本と海外とでアートに対する価値観の違いを感じたことはある?
サンフランシスコはアートと人々が上手く共存している街でした。
チャイナタウンのレストランに壁画を描かせてもらったことがあるのですが、通りすがりの人たちがみんな話しかけてくれるんです。「街を綺麗にしてくれてありがとう」って言ってくれる人も居ました。
みんな絵を見る事や買うことが習慣付いてるし、アーティストへのリスペクトもしっかり持っていて、自己表現するにはとても魅力的な場所だと感じました。
日本には日本の良さがあるので、何でもかんでもアメリカナイズドされる事に賛成はしません。ただアートと距離の近い生活をしている人々はすごく生き生きして見えました。
Q7.BMXと絵を描くことに関係性はあるのか?
僕にとってBMXと絵は、プロセスは同じでアウトプットの仕方が違うだけだと思っています。そして両方ともすごくシンプルで本能的だと感じています。
街をクルージングしてスポットを見つけて、誰もやった事ない動きを考える。何度もトライして、やっとメイクして、編集して、それを作品としてWebにアップしたりDVDにしたりしてようやく1つの形となり後世に残して行く。このアプローチがすごく絵を描く感覚とにています。
街に出て色んな人に会う。何気ない一瞬が面白く見えて、それを切り取り自分のフィルターを通して作品にする。何を切り取ってそれをどう料理して世の中に届けるか。みたいな。実際にこの目でシーンの真ん中を見続ける事で新しい作品のアイディアが生まれる。
だから僕はBMXライダーでい続ける事が絵描きでい続けられる事だ思うんです。
Q8.アーティストとして目指す姿は?
今自分の周りには、絵描きやライダー、スケーター、DJやラッパーがたくさんいて、みんなそれぞれ違う事してるけど、ローカルのパーティーに集まって遊んだり、一緒に何か新しいプロジェクトを始めたり。
そうゆう繋がりや人の輪が、自分の絵をきっかけに広がっていけば良いなと思っています。
あとは山でたくさん動物を飼って太陽を浴びて暮らしたいです。
photo by @marcobmx633
※2020/4/21のインタビュー